アメリカで暮らしています。
近所の公園に行くと、広い芝生のフィールドに普通にサッカーゴールがあり、しかもとても整備されている。
子どもたちの多くが、とりあえずサッカーをする。
休みの日は、友達同士や家族同士でサッカーボールを追いかけて走り回っています。
バスケットボールもあって、バスケをする人もいます。野球はほとんどいない、少なくとも自然発生的な遊びとしてしている姿は見かけない。
周りを見ても、ほとんどの子どもはサッカー。小学校の放課後の習い事もサッカーが人気。夏のサマースクールでもサッカーが人気。
そういった光景を見ると、
「あれ?なんで今サッカー強くないんだろう?」と不思議でしょうがない。(もちろん女子は世界トップクラスですが、男子について言えば…)
僕が見ても、サッカーは“特別なスポーツ”ではなく、“日常”。
昔は中学生くらいまではサッカーをして、高校生から一番人気のアメフトに移る、という感じだったみたいですが、今はそれも変わりつつあるようです。
アメフトは脳震盪の長期にわたる後遺症が危険視されていて、以前ほどの勢いは感じません。
その一方で、サッカーのスタジアムに行くと、熱気と一体感がすごい。
「これ、もしかしてアメリカ、すごいことになってきてるんじゃないか?」と思うんです。
まぁ、テロの危険からか警備は軍隊まで動員されていて厳重。
でもそのおかげか、マナーは良くて子どもと安心して観戦できる。

むしろ不思議なのは、これだけ環境が整っていて、これだけ子どもたちが自然にボールを蹴っているのに、なぜ今までアメリカのサッカーは弱かったんだろう?ということ。
縁あってサッカーコーチを始めました。
経験は高校の草サッカーだけなんで、勉強せにゃと思ってアメリカサッカー協会(US Soccer)の草の根コーチライセンスを取りました。
その講義の中で驚いたのは、徹底して“選手の自己判断”を促す教育をしていること。
基礎練習はメニューにほとんどなく、とにかく練習はゲーム中心。コーチが答えを教えるのではなく、プレイヤー自身に考えさせる。基礎練習は必要を感じて自分で練習する。
それが非常に洗練されていて、見事だなと思いました。
アメリカはスポーツを“健全に運営する”という点においては、間違いなく世界一だと思います。
アメリカンフットボールでも、特定のチームだけが強くなりすぎないように、ドラフト制やサラリーキャップで平均化の仕組みを作っている。
そういうリーグ運営のバランス感覚は本当に優れている。
ヨーロッパでは強いチームが固定されてしまい、2強どころか1強が続く国も珍しくありません。
スーパーリーグ構想は、逆に言えば国内リーグの競争が見えにくい現象の裏返しのように思えます。
まるでお金持ち以外は入れなくなってワクワクしなくなったポケカみたい。
でも、アメリカは今、すごい勢いで発展していっているエネルギーを感じます。
スポーツを健全に運営する文化という点では、アメリカは世界一。
そしてその文化がサッカーに完全に根づいたとき、世界の勢力がガラッと変わるんじゃないかなんて思ったりします。
メッシがMLSに来て、DCユナイテッドの木島選手のような選手が熱気の中でプレーしているのを見ると、
「まだ世界の中心ではないけれど、この国はとんでもないことになりそうだ」と思うんです。
シロート的意見ですが、日本もブルーロックの影響か、
「仲良しサッカーでは勝てない」「個人のゴールを目指すこととチームプレイは両立する」
という共通認識が強く生まれたように思います。
フォワードやりたい!って子を見ます。
20年後にワールドカップ決勝が日本対アメリカになったりして──なんて夢想したりします。
笑われそうですが、僕シロートですから。
