論文の査読過程で、エディターが何十通もメールを送り続け、ようやく「レビューしてもいいよ」と返事もらえるまでを前回まとめました。しかし、それでエディターの苦難が去ったわけではありません。
いい返事をもらえたから交際がスタートするのか?論文世界は(恋愛でも)、そうスムーズにはいきません。
レビューを受諾してもらった後、10日間ほど(この日数はエディターが指定します)待ち時間があります。 この10日間以内にきっちりレビューを返してくる人はどのくらいか?
大体3分の1位です。いや、良く言いすぎているかもしれません。
設定した締め切りを過ぎると、雑誌から自動催促メールが送られます。おおむね数日おきに2ー3回届くようです。
以前「なんでこんなに催促メールが送られてくるんだ!」と怒りのメールが来た事があります。そんなこと言ってる間に早くレビュー書いて と思いますが、笑顔で(メールですが)返します。
しかし、実はこの自動催促メールでも、対応してくれる人は少ない。
ここからがエディターの本領発揮です。
僕は最初の催促メールが送られた2日後ぐらいに、個人的にメールを送ります。「ぜひレビューをいただけると助かります、先生のお力添えをお願いします」というメールです。
40人近くに依頼してやっと了承してくれた方です。とてもありがたい。たまたま何か事情があって書けてないでしょうから、こちらも失うまいと必死です。
これでお返事をいただけるケースは結構多い。1週間待って、2週間待ってとか、そういう返事してくれる人もいます。誠意を感じます。
みなさん第一線の研究者。多忙なのは重々承知です。
さて、本題です。
個人的に1番困るなと思うのは、これら全てに一切返事をくれない人です。
最初レビューを受諾してくれたはずなんですが、自動催促メールにも、こちらからの個人メールにも一切返事が来ません。
そして最初の締め切りを過ぎて、プラス10日過ぎて、自動でキャンセルされます。 数は多くはないのですが、5人に一人くらい。
ここで言いたいのは、この人たちによって既に 20日間が失われているということです。
もちろん、こちらもそういう方が一定数いるのを見越して、多めにレビューアーを探してはいるのですが。
急に仕事が入ってボランティアの仕事なんてしてられないかもしれませんが、受けた以上はちゃんと返事してほしい。
恋愛と同じく、「思わせぶりな態度が1番困る」というやつです。
すぱっと最初からフってくれたらいいのに、曖昧な態度を取り続けられ、一方的にこちらが盛り上がり、最終的にはっきりしないまま連絡が取れなくなる、というのは恋愛において非常に嫌な記憶として残ります。
J-POPか少女漫画だと、無理やり甘酸っぱい記憶にされるかもしれませんが。
(注)決して個人的な経験ではありません。
それと、僕が 科学界に対し、ちょっと疑っていることがあります。これは個人的な意見で、事実かどうかは分かりません。
先進的な内容の論文のレビュー依頼で、最初の10人のうち5人がすぐに受諾してくれました。
先に書いたように、レビュアー探しは20人に送って1人見つかればいい方です。すごい!と感動したのですが、この5人は全員「思わせぶりな態度」軍団でした。
誰一人、期日を過ぎても返事を送って来ず、最終的に貴重な20日間を失った後、また1からレビュアーの探し直しです。
ここで僕が疑ったのは、論文を受諾すると論文の内容が詳細に見れます。
ひょっとして、そうやって発表前の論文をチラ見するのがレビュー受諾の目的ではないかと。
特にこの論文は先進的な内容でした。その5人の先生は全員一流大学の著名な研究者たちばかりで、ひょっとしてこういったことが研究世界では日常的に行われ、同業者の発表前の論文をチラ見しまくってるんだろうかと疑念を抱いてしまいました。
この私の疑いが、見当違いでしたらぜひ否定していただきたい。そして見当違いだといいなと思っています。
もし意図的にしている方がいましたら、大いに反省してください。
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