レビューアーとエディターのやり取りって、恋愛っぽいなと思うことがあります。といえるほど、恋愛してるわけでもないし、恋愛上手でもないんですが。
レビューの依頼を研究者に送った場合、一般的対応は「無視」です。要は返事しないでほったらかしです。
これは僕も忙しい時や、関わりたくない雑誌からの依頼の時、よくやります。
次のパターンは、きっちり却下してくれる場合です。レビュー依頼のメールの中にAcceptかDeclineかクリックするところがあるので、それをクリックしてくれたわけです。
これはこれで誠意を感じます。 クリックするため約20秒は 私の依頼に思考を割いてくれたわけです。
きちんと断る理由を書いてくれる人は、もっと嬉しい。 理由は様々です。全然関係ない分野だとか、休暇中ですとか、グラントの締め切りの前で信じられない位忙しいとか。
この時、とてもありがたいことをしてくれる研究者もいます。 他の研究者の推薦です。おそらくその推薦してる人に確認していないでしょうから、「押し付けた」とも言えます。とにかく、藁にもすがる思いのエディターとしてはとてもありがたい。
そして、その研究者に依頼するとき僕は追加のメールも一緒に送ります。「他の先生から推薦をいただきました」と書いておくと、結構引き受けてくれます。やはり人間と人間、こういった細かなコミュニケーションが大事なんでしょう。
そしてもっとも稀ですが、引き受けてくれる先生がいます。この時はお願いしておきながら、びっくりします。
大体20ー40人ぐらいに送って1人。 ですので、2人のレビューアーを見つけるのには40人から80人ぐらいにメールを送っています。
僕はエディターをやるまでは、こんなに引き受けてくれないとは思ってませんでした。しかし基本断られて当たり前の状況を経験していると、ハートがタフになります。 精神的に強くなったのは、エディターをやってみて良かった点でしょう。
なお、分野違いの先生に依頼をしてしまうこともよくあるんですけど、 そこで怒りのメールを送ってくるような人はいません。
まとめてみると、人間は誠意ある態度が大事と感じます。レビューなんて所詮ボランティアですので、よほど余裕がない限りなかなか手が出ない。
忙しい時にめんどくさいレビューの依頼が来ても、きちっとした態度でめんどくさいことに対処できるか。人間力を問われるのでしょう。
次回は引き受けてくれてからどうなっていくのか?りを書きたいと思います。
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