手術は途中でやめれないけど When extended working hours,

投稿者: | 2023年10月13日

外科医の子育てにおいて、もちろんそれ以外の仕事でも、仕事の終了時間が分かりにくいのは非常に大きな問題です。そしてそれは個人の努力だけではどうしようもないことがあります。

例えば就業時間が5時半に終わるからといって、その時間に必ず終わるかは分かりません。5時29分に電話がなって、お腹が痛い人がいます、と呼び止められることがあります。帰り際の玄関で呼び止められることもあります。手術も始まってみないと何時に終わるかはわかりません。癒着剥離に想像以上に時間がかかったり、出血がなかなかおさまらず止血に時間を要したり。時間延長は日常茶飯事です。

患者さん及び職場から必要とされ、全力を尽くすことで喜んでいただけるやりがいのある仕事なのは確かですが、子供を育てながらですと、なかなか大変です。

時間が延長した時は、ある程度成長した子供であれば作り置きのご飯やおやつ、Uber Eatsでお腹を膨らませながら留守番しておいてもらう手があります。(ただ、ここは現在日本社会で激しい議論となっています。)

やはり幼稚園・保育園児のお迎えの時間は大きな問題です。前もって、間に合わないことが予想される時は

1。配偶者にお迎えを頼んでおく

2。 親族にお迎えを頼んでおく。

という方法が多いと思います。ただこれは、以前書いたように多用されやすい一方で、「最終手段」でもあるので、意識的に他の方法を考慮した方が良いかと思います。

3。 仕事を抜け出し迎えに行く。

病児保育のお迎えの時間は厳密です。幼稚園も厳しいです。そうなると、職場に頼んで緊急手術への検査の合間に、抜け出して迎えにいかざるを得ない場面もあるでしょう。その後の子供の世話をどうするかはまた考えないといけないですが。配偶者が学会などで不在とか、配偶者はほかの子供が体調が悪くて動けないとか、そういった場面は大いにありえます。職場の理解は必須でしょう。

4。 公共・民間サービスを利用する

やはりこれが1番頼りになります。急患当番の日や長引く可能性のある手術の日は、前もってファミサポの方に迎えに行って預かっておいてもらう。ベビーシッターサービスで迎えに行って自宅で面倒みておいてもらう。 とにかく長時間の手術で確実に迎えに行けるか自信が持てない時は、手配しておくのが良いと思います。手術の準備に加えて家庭の準備までするというのはなかなか大変ですが、そんなことで心折れていては子育てなんてできません。

僕は、公共・民間サービスの利用を積極的に推奨しています。普段からハウスキーピングの利用も積極的に行っています。

なんでもお金で解決するんじゃなくて自分でやらないと本当の子育てじゃない!と批判があるかもしれませんが、以前書いた「お金・時間・人間関係の3択」を意識しています。仕事が忙しく時間がない時は、お金に頼らざるをえません。 仕事もがんばって、家族の世話も完璧で、家もとてもきれいに維持するなんて不可能です。お金を払うことで、家族の時間が確保でき、イライラしないで気持ちの余裕ができるのであれば安いものだと思います。

共働きですとその分収入が2倍になるような気もしますが、その分多くを犠牲にしているのは確かです。それを埋め合わせるためには、やはり収入が削られてしまうのはやむを得ないでしょう。共働きでの収入は「1+1ーX = 」。せいぜい「1+1ーX = 1.1」あれば御の字かと思っています。