先日下関で開かれた第79回日本消化器学会総会に参加してきました。
下関といえば、幕末に高杉晋作が ①俺様態度 ②逆ギレ ③ジャイアン並みの理屈 で下関戦争の講和条約をうやむやにした、ヤンキー感あふれる伝説の舞台です。
もちろんDaddy-surgeonとして発表を行いました。
今回、「外科医の数だけロールモデルがあって良い」という非常に興味をそそられるテーマでしたので、それに即して発表しました。
白状しますが、抄録応募時点ではデータがほとんどなかったので、採用が決まってから慌てて知り合いを回り、アンケートに協力してもらいデータかき集めて発表しました。
ですので、抄録と実際の発表内容がだいぶ違いました。
結構苦労した発表なのですが、学会では少数の方を前に発表したのみ。このまま消え去るのも惜しいと思い、ここに書き残したいと思います。
外科医の多様性認めていくのは素晴らしいことだと思います。
ではそもそも多様性とは?
何故そんな話が学会で行われるようになってきたか?すべての理由は、外科医の高齢化と成り手の減少につながっています。
昨今マスコミでも取りあげられていますが、とにかく外科医が足りない。かつてドラマの主役だった外科医たちは、きつい長い下積みの期間を必要とする 男尊女卑著しい 時代錯誤の組織として敬遠されるようになりました。
芸人ではありませんが、いまや40代で若手扱いの病院がザラです。 では、40代ー60代の外科医ばかりとなると、当然みんなバラバラなわけです。
大学を卒業した時点ではそこまで差がなくても、働きながら、徐々にそれぞれの背景、すなわち家庭環境・知識・興味は変化していきます。そんな人たちが皆共同して働いていかないといけない。すなわち、各々の多様性を認めざるを得ないわけです。
そして外科医の多様性として、この ①背景の多様性 に加えて
②仕事の多様性
があると考えます。
外科医はとにかく色々と出来る。先に書きましたが
胃カメラ検査やカメラを使った外科的処置。抗がん剤治療。がんの進行で苦しむ患者さんの緩和治療。内科医がいない時の代理処方。整形外科医の手が足りない時の整形外科的診察・処置。皮膚科的診察・処方。健診業務、手術の麻酔。
かつてあまり専門化が進んでなかった時代にさまざまなことを担ってきた伝統からでしょうけど、とにかく色々できちゃうので、そうするとそれぞれの得意・不得意などから仕事内容が違ってきます。
ものすごく長い手術・緊急手術・急変が日常の外科医もいれば、定時で毎日帰れるような方もあり。
では、実際に外科医たちはこの「仕事の多様性」をどう思っているのか?
その疑問を抱き、13名の方に協力いただきアンケート調査を行いました。
長くなりましたので、続きは後編で。
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