外科医が子育てを行うにあたってぶつかる3つの壁について書きましたが、実際の対応の仕方は本当に人それぞれだと思います。というのも、それぞれ子供の年齢や家族からのサポート量、仕事の内容が大きく違うからです。 以下は、あくまで僕個人の内容と思ってください。
実際の対応方針は、大きく3つに分かれると思います。
1。 家族で協力し合う。
当たり前のことですが、まずは家族での協力が第一と思います。 いつ終わるかわからない手術、急患対応での残業時は子供を迎えに行ってくれる。さまざまな予定変更に柔軟に対応してくれるという意味で、配偶者はとても大きい存在です。事前に自分の予定をできるだけ伝えて、Googleカレンダーで情報共有して、患者さんの搬入時間の隙間などにLINEで情報をやり取りしてます。また、子供には自分の事情を話し、家で待っててもったり、病院に連れて行って控室で本を読んでもらったりなどもしています。
ただ、家族というのは自分の体の一部のようなところがあり、家族の協力は自分自身を切り売りしてるのに近い状況とも思います。多用すると徐々に体力・精神力を消耗していきます。できる限り別の持続可能なシステムを作り上げていく必要があるでしょう。
特に、親・兄弟などの親族は金銭的関係が発生しにくい分、お世話になったことが双方共に心理的に尾を惹きがちです。家族に頼りすぎないシステムを作り上げていかないと、将来的に色々大変な気がします。
2。 公共・民間サービスを利用する。
子育て支援のサービスはたくさんありますので、出来る限り登録するようにしています。ファミサポですと比較的金銭的負担は少なくできますが、その一方提供者側のご好意に甘えている部分があり、あまり無理はお願いしにくいです。特に急な予定変更が重なると、人間関係が悪化してしまう気がします。
私がよく利用するのは民間のベビーシッターサービスで 、例えば夕方に来てもらって食事の準備などをしてもらい、その後子供を迎えに行ってもらって、私の帰る時間の曖昧さも含めて柔軟に対応してもらえるよう、契約段階でお願いしています。金銭的にはかかりますが、もっとも気軽に利用しやすい方法です。
3。 病院 に協力を依頼する。
あまり多用したくはないのですが、職場の理解と言うのはやはり必要です。子供の急な病気で早く帰らないといけない、熱が出て病児保育に預けていくので遅刻する。緊急手術をやっててもこの時間に帰らないといけない。やはり同僚及び病院の管理者側の理解は必須でしょう。
その分普段から時間内の仕事は、死ぬ気でやって 働いているアピールに努めるようにしています。また、子供の体調が悪そうなときには 職場に早めに相談して、早く帰る事は可能か確認しています。 ここで気をつけているのは、 無理をお願いする以上は人よりも働いていないと納得を得れないということです。 これは以前ファザーリング・ジャパンの勉強会でイクボスの方から聞きましたが、人の1.5倍を時間内で働くつもりでいないと朝から夜まで職場にいる人には勝てっこないとのこと。
総論だけで思った以上の量になりました。 いずれまた改めて書きたいのですが、子育てをするにあたっては、①お金②時間③人間関係のどれかをやりくりしないと無理かと思います。
どれを優先するか・すべきかはその人の状況によるでしょう。 金銭的余裕があるときは、お金。時間がある時は時間。人間関係が円滑な時は人間関係、と自分の状況を客観的に見て判断していくと、何とかなるかなと。お金・時間・人間関係すべてを完璧に行いながら、子育ても完璧というのは無理だと思います。
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