Daddy-surgeonの広報活動の一環として、外科医の全国学会 第85回臨床外科学会総会で発表してきました。
場所は岡山、桃太郎の舞台です。まさに戦いにふさわしい。
「総会特別企画8-1 男性外科医のワークライフバランスを考える」
5名の外科医が、男性外科医がどう子育てを行なっていくべきか、それぞれの環境でどう理解を得ていくか、家族の絆、またなぜ男性外科医の育児参加が進まないか、を熱く語るプレゼン→パネルディスカッションでした。
私は「外科医の子育てで立ちふさがる3つの壁」「その対策」の発表です。
後半のパネルディスカッションもとても盛り上がり、社会の変革が進み出していることを感じます。Academic daddy surgeonを目指していると発言された先生がおり、とても嬉しく感じました。
しかし残念ながら、我が愛する九州は大分遅れてるなぁと感じたのも事実です。
以下、抄録転記いたします。
男性外科医の育児両立において生じる現実的課題とその解決
働き方改革が日本全体で叫ばれ共働き世帯が急激に増加する中、男性の家事育児への積極的参加は当然のこととなっていくと考えられる。その中、医師、特に外科医は大きく社会の流れから遅れをとってきた。旧来の働き方では若い世代を惹きつけられないことは明白となっており、それは若手の減少と高齢化の急激な進行として外科全体に大きくのしかかっている。これは個人の意識だけでなく外科の業務における構造から発生していると考えている。今回、外科医の育児両立の点から自身の経験及びインタビュー調査の結果を踏まえ発表する。検証の中で大きな問題となったのは①主治医としての責任の強さ②手術時間の予測の難しさ③時間外の呼び出しの3点である。術者を意味することが多い主治医という立場は、不在時の代医による交代を難しくさせる。始まってみない限り読めない手術時間は、保育サービス利用において問題となりやすい。インタビュー上で最大の課題であった時間外の呼び出しに対し、大規模病院ではチーム制での対応が行われているが、中規模以下の病院では配偶者への依存以外に明確な解決策は見出せなかった。配偶者の仕事の制限を強いらざるを得ない家庭が多く、配偶者及び家族への罪悪感を抱く外科医が多くみられた。この課題の解決には本人及び家族の努力のみでは不可能であり、様々な面からの協力を要し、変化には時間を要すると考えられる。
© 2023 日本臨床外科学会(事務局より許諾を得て転載)
お土産は・・・当然きび団子です。
ピンバック: 組み合わせてしまえばオンリーワン; 全国発表への道 Combination can make us stand out. – 外科医は子育てと研究の夢を見るか Does Daddy-Surgeon Dream of Research?