パクリではありません。パロディです。 How to avoid the trouble that comes from unconscious (or conscious) plagiarism.

投稿者: | 2023年11月13日

いわゆる「リスペクト」は、された側の主観・感情によって、不利益が大きければ「パクリ」と判断される危険がある。ということを前回書きました。

しかし意識的にせよ無意識にせよ、模倣抜きでは科学・文化の発達は不可能です。どうしたらいいのか?

私なりに思うPlagiarismへの対策をあげてみました。

1。Original creatorに、客観的にみても明らかな敬意を示す。

参照文献にあげるのはもちろん、論文中でも「・・・のやり方に倣い」など徹底的に感謝を示します。引用する側が上位に属することを、はっきり示すわけです。そうするとOriginalityの帰属がはっきりし、かつOriginalの宣伝にもなるため問題になりにくいでしょう。

2。すでに社会常識となっているものを模倣する。

もう常識だよ、という内容であれば、すでにOriginal creatorは権威を確立しているため問題になりにくいでしょう。科学論文ではありませんが、シェークスピアの小説や映画への引用は山のようにありますが、すでに何百年も前の方なので常識化・共有財産化しているのでまず問題になりません。

3。Plagiarism checkerで無意識・偶然の引用がないか確認する。

やはり無意識の記憶から出てくるものを自分で認識するのは不可能です。テクノロジーに頼るのが良いでしょう。

科学領域ではないですが以前ミュージシャンの方から、家族や友人にまず出来たメロディを聴いてもらい、どこかで聴いたようなメロディではないか確認しているとのこと。無意識の引用は、どこの世界でもやはり問題のようです。

4。うろ覚えの知識で文章を書く。

ひとまず何も見ないで自分の中から湧き出すままに、完成させてしまいます。その上で、うろ覚えで書いた文章などで、引用元になる情報を参照にしながら修正していきます。そうすると、絶対同じ文章にならないですし、自分の中で一旦吸収し消化して改めて出したことになります。

論文を書く時、引用内容を見ながら書き上げ、後で自分の文章に直していこうとすると、必ず元の著者の癖が残ります。意図的に自分の文章にしてしまうには上記の方法が有効です。もちろん参考文献としても必ず表示し敬意を示しましょう。

5。注目されないようにする。

半分冗談ですが、参考にした側がOriginalより有名になるとOriginalの不利益が発生するわけです。そうすると「パクリ」と名指しされるでしょう。有名にならなければ問題にならないと言えますし、逆に有名になればPlagiarismの危険は高まると言えます。一般にパロディが問題になりにくいのは、理論上、元ネタより有名にならないからでしょう。

何かを作り上げる時に、色々なものに影響を受けているのは当然、似ちゃうのも当然。自分の中でさまざまな情報を消化し、自分色にして出していけば良いわけです。影響を受けたと気づいたものにははっきり敬意を示し、無意識に類似してないか客観的評価を受ける。

その上で似てると指摘されたら、もう仕方がないかなと思います。

ふと、日本のある曲を思い出しました。日本のオリエンタル・ラジオというお笑いコンビがRadio Fish名義で発表したPerfect Humanです。

これは明らかに、韓国のミュージシャンPSYの「Gangnam Style」の模倣ですが(私はイントロ当てクイズを家族としています)、大きな問題にはなっていないようです。理由として、一番は模倣したことでPSYがOriginalityを奪われたといった損益を受けたわけではない。そもそもヒットの規模が違いすぎるので、問題にはなりにくいでしょう。

この曲は元のOriginalが分かるように制作されてはいません。一見、彼らのオリジナルのように見えます。その一方、「リスペクト」か「パロディ」であるとも主張できるように作られています。その理由はファッションです。サングラス+固めた髪型+スーツ。ほぼ一緒です。そして歌っているのはお笑い芸人であり、ミュージシャンではありません。となると曲の存在自体に宴会芸的要素が強く、パロディと主張できます。パロディに抗議するのは「大人気ない」ことですから。ファッションが同じであることから「リスペクト」だとも主張できるでしょう。もし全く別のファッションであれば、かえって「パクリ」と揶揄された可能性があります。

しかしやはり「パロディ」といいにくい。元のタイトルが『Gangnam style」であれば、パロディであれば「Shirogane style」とでもなるでしょう。この辺の真意は分かりませんが、製作陣がかなり複数の予防線をはって作成したように見えます。

パクるなら、、、でなくて参考にするのであれば、これぐらいの用心深さ、周到さが必要なんでしょう。