ある時、武士の生活の本を 子供と読んでいました。
いつ敵が襲ってくるか分からないので常に気が抜けない。
一瞬で生きるか死ぬかの判断を要求される。
うむむ・・・大変だ。こんな生活できない。
と思いましたが、そこでふと「あれ?外科医の生活って同じじゃない?」という思いが。
いつ生き死にの事態になるかわからない →いつ病院から呼ばれても向かえるように身の回りを整えている。
枕元に刀を置いて襲撃に備える。→枕元には常にスマホ。鳴ったら飛び起きれるようにする。
「明智光秀が裏切った」と聞いた瞬間に「是非に及ばず」と死を覚悟する。→外来で患者さんのデータを見た瞬間に手術を心に決め、その晩の家族との約束をすべて諦める。
そういえば日常的にこういう生活を送っています。
朝起きたらまずスマホの着信履歴をチェック。病院からの電話に気づかなかったのではないかと心配。
スマホの電源が切れていた時、大事な電話がかかっていたのではと息が止まる。
正月の実家でお屠蘇飲んでたら電話。高速バスで病院に向かい手術。夜中に実家へ戻る。
うーん、大変な仕事ですね。医者の方の多くがこういう生活を送っているのではと思います。
特に外科系の医師は他で代わりにくい仕事が多く、病院に呼ばれても大体すぐには終わらない。より覚悟が必要です。
私は外科医というのは、本当に「侍」な仕事だなと思っています。
己の腕一つで患者さんの病気と戦う。
言葉より手術で語る。
一瞬で覚悟を決める。
手術という数時間の戦いで劇的に状況が変わる。
やり甲斐はすごいし、かっこいい仕事だなぁと手前味噌ですが思います。
こういう生活を送ってるので、普段ぼーっと居眠りばかりしてて、暇さえあればネットサーフィンしていても、まぁ許してください。
電話ひとつで戦闘モードになり、以降の予定を全て諦める。という生活を送っているのです。
そして、こういう頑張ってる愛すべき外科医たちが、家族と幸せな時間を過ごすことをいっぱいあきらめているのも事実。
家族もまた外科医である親との楽しい行事をいっぱいあきらめているのも事実。
システムとして、もう少し自分たちの幸せを追求するようにしていいんじゃないの?と思うわけです。
「いや、俺たちは仕事に全力を注ぐべきだ」とやせ我慢続けてもいいんですけど、本人はともかく家族がつらいわけですから。
いまは江戸時代の武士の家じゃないんですから。