複数主治医制はチーム内の人間関係がキモ The relationship of multi-physicians is the stake.

投稿者: | 2024年2月16日

前回は主治医制に関してまとめましたので、今回はそれと対比される複数主治医制についてまとめてみましょう。

複数主治医制といってもいろいろな定義があるようですので、ここでは「一人の患者さんの担当を複数人で分担すること。」とします。ですので、2人から大人数のグループまで含めるとします。個人的には複数主治医制(グループ)は素晴らしいシステムと思いますが、決して現在主流ではないです。では何故か。

まず、そのメリット・デメリットを列記します。

メリット

医師の連絡先が複数あるため、治療に関して誰かが対応・決定できる。

治療方針が相談しながら行われるため、標準的な治療が行われやすい

負担が分担できるので医師のストレスが減る。

デメリット

医師が把握しないといけない患者さんの人数が倍増する。

チームがうまくいってないと、チーム内の誰かに負担が偏在し、かえってストレスが強くなる。

個人個人の責任感が薄くなり責任を持った決定が行われにくく、方針決定に時間がかかる。

今回も、「医師」「患者さん」「管理者」「院内他業種」という視点からまとめ直してみましょう。

1。医師の立場から

利点:治療方針を相談しやすい。仕事の分担ができ、負担が減る(特に時間外)。主治医制と同じく、それまでの流れを基本的に理解しているので、引き継ぎの時間がいらない。共に喜びを分ち合えるメンバーができる。

欠点:全体の担当患者数が増える。医師同士の関係がうまくいっていないと仕事の押し付け合いになり相互不振に繋がる。メンバーに確認する必要がある内容だと、即断できない。

2。患者さんの立場から

利点:主治医制と同じく誰が自分の担当か分かりやすく、人数も多いので担当者がつかまりやすい。治療方針が複数人の相違に基づくため、偏ったものになりにくい。

欠点:医師同士の連携がうまくいっていないと、治療方針が宙ぶらりんになって決まらない危険がある。連絡がうまくいっていないと、複数の異なる指示が混在してしまう危険がある。

3。経営者の立場から

利点:複数人いるため治療が標準化されやすく、医師患者間のトラブルもグループ内でサポートが入り回避されやすい。

欠点:単独主治医制に比べると対応可能患者数が減る。連携がうまくいっていないと、ミスコミュニケーションのためのトラブルが生まれる危険がある。

4。院内他業種の立場から

利点:担当者がつかまりやすい。

欠点:医師間の連携がうまくいっていないと、伝言係と化してしまう危険がある。お互いの愚痴や悪口の吐口にされてしまう。

こうまとめてみると、複数主治医制の成否はとにかくグループ内の人間関係に大きく依存することがわかります。グループ内がうまくいっているといいのですが、そうでないとミスコミュニケーションからの負の連鎖、他業種を介しての伝言ゲーム、果ては仕事の押し付けによるパワハラの温床と化す可能性も考えられます。

となると、グループ内の仕事の分担・連絡手段・権限などをいかにシステムとするか?が重要となってくるのではないでしょうか。

では、仲が良さそうな人をセットにして・・・と考えてしまいそうですが、正直極めて属人的な対応であり、組織のシステムとして行うのは危険かと思います。

仲の良さで結成された、吉川晃司・布袋寅泰という当時の2大スターによるCOMPLEXが、「仕事」をすることであっという間に人間関係が崩壊し解散しています。一方、その布袋寅泰が在籍していたBOOWYは仲の良さで結成されたわけではなく、リーダーの氷室京介がおそらく布袋寅泰の能力に対し声をかけたこと、そして常に解散という終わりを意識していたとしか思えないスピード感で大成功を収めたことに、ヒントを感じます。

やはり仕事という責任とストレスのある環境に友情を持ち込んでしまうと、最終的に友人を失う危険があり仲の良さをシステムとして利用することは薦められません。

では、どのように複数主治医制内の人間関係をシステム化するか?勝手ながら今までの流れで、エンターテイメント業界を参考にまとめてみましょう。ここから主観入りまくりの完全にどうでもいい話ですので、暇な方だけ読んでください。

1。俺が帝王(一人がスター)

一人がスターとなり、他はバックバンド状態。分かりやすくはあるのですが、徐々にスターの権力・自意識が高まり過ぎてしまうと、バランスが崩れ大体崩壊する。おそらくほとんどの成功したグループがたどる転機です。

一方、あまりにレベルが違いすぎると、メンバーが諦めてしまってその他大勢に満足し、逆に長続きするようにもみえます。ただしメンバーの心理状態は不明。メンバーが脱退後に薬物使用で逮捕される事例もみかけます。

例を出すとファンの怒りを買いそうなので、やめておきます。

2。一人が明らかにスターだが、とてもメンバーに気を使っている

明らかにカリスマが一人いるので、上の「俺が帝王」系になりそうですが、なぜかメンバーにとても気を使い長続きする。

バンド名はあげませんが、メンバーの怪我や病気でのライブの中止、延期。スキャンダルでの活動休止。ボーカル以外は正直代わっても支障はないように思いますが、やはりここで不在のメンバーのパートを「他でいいや」とサポートメンバーにしてしまってたら、そこから崩壊するのかもしれません。

Goo Goo Dollsは正直ヒット曲は全てジョンが歌っています。ライブ中にロビーの曲が始まるとトイレに向かうお客さんが多いです。しかしアルバムには必ず2人それぞれの曲が入っています。

非常に理想的で長続きするスタイルですが、カリスマの人間性に依存しているようです。システムとして期待するのは危険でしょう。

3。影の支配者+期限付きのスター

明らかな陰の支配者が組織を運営し、スターは生まれるけど期限付きで、いずれ必ず交代が約束されている。代表的なものは日本のアイドルグループでしょう。今はスターの引き立て役でも、いつかは・・・ということからモチベーションが保ちやすく、組織の維持がしやすいように思えます。システムとしては効率的なように思えます。支配者以外が楽しいかは知りませんが。

4。みんな同じで仲良しこよし

スターがいない、みなどっこいどっこいの組織。悪くないようですが、エンターテイメント業界では記憶に残らず、成功はしないでしょう。医療業界ではどうでしょう。

まとめてみると、「3. 陰の支配者+期限付きのスター」がもっとも安定感があるようにみえます。例えば、管理職の方が各グループに目を光らせ、各グループのトップはいずれ交代する。一方、管理職になったらあえてグループから外れ全体の総括に重きをおく(グループに残り続けると「1。俺が帝王」になります)、などの運営方針が良いかもしれません。

一方、個人が想定以上の輝きを出すには「2。気を使うスター(リーダー)」の方が良いようにも思います。自由度が高く、責任と成功が個人へフィードバックされやすいです。「3。陰の支配者+期限付きスター」で最初は開始し、スターの人間性が高ければ「2」へ移行しても良いかもしれません。

「1。俺が帝王(一人が明らかにスター)」は、組織内のメンバーの精神が崩壊するのでやめた方が良いでしょう。「4。みんな同じで仲良し」の方がまだマシかと。ただし、私自身見てきた医療界のチームはほとんど「1」だったような気もしますが。